映画「音楽」の衝撃~こんな映画作っていいんだ~

こんにちは、コバヤシです。

ちょっといろいろあって金曜更新できませんでした。

 今回は友達とみてきた映画が

「日本のエンタメってこんなことしていいんだ!!」

と衝撃を受けたので紹介したいと思います。

 

その名も「音楽」

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まずはPVでその超作画をぜひ見てください


71分全て手描き!アニメーション映画『音楽』予告編


アニメーション映画『音楽』コメント予告編 2020年1月11日(土)全国公開!

 

実写を撮影してからそれをアニメーション化する

ロトスコープという手法で、しかも制作期間は約7年超、作画枚数は実に40,000枚超という超大作!!

PVの最後の方にはやたらヌルヌル動く観客も登場しますが、これも実際にフェスを開催して撮影したものをアニメにしているらしいです

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上映情報などはコチラ公式サイトをご確認ください

 

 

キャストには有名人が多数登場しているんですが、なんといっても目が離せないのは

竹中直人さんと岡村靖幸さんの2人!この2人が出ていること自体もですが、その使い方が衝撃的!!

 

岡村靖幸さんが何の役をやっているかは見るまで分からないようになっているのですが、竹中直人さんなんて主人公に馬鹿にされ続ける他校のヤンキー役で、竹中直人さんってそんな役やってくれるんだ・・・と思いました。

そこにはPVの中でこのようにコメントが寄せられているように、商業的な売れ線よりも自分の求める良いものを作ろうという制作の意志があって、そこにきちんと大人たちが集まって、形になって・・・という自由で崇高なモノづくりがあって、カルチャーに青春をフルベットした僕は歓喜に打ち震えていました。最高です。

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PVに寄せられたコメント



 

ここからはガッツリ内容の話に食い込んでいくので、

ネタバレが嫌な方はご注意ください

 

肝心の内容なんですが、個人的には一言で表現するなら「セッション」の対極にある映画です。

「セッション」は「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督のジャズ映画で、そこで描かれているのは、プロを目指して音楽学校で修業を積む学生たちと、彼らを引くほど厳しく指導する先生の戦いとも評されるほどのぶつかり合いです。

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「セッション」では、そのぶつかり合いを通してギッチギチに張り詰めた主人公と先生がラストにある種の絶頂感を伴うほどのセッションを作り上げます。

 

一方「音楽」では、努力とか才能とかそういうのは一切出てきません。

この作品の主人公3人組は、なんとなくバンドを始め、合わせて弾いたらなんか気持ちいいと言ってそのままフェスに出ちゃいます。

別に売れたいとも思ってないし曲を売りたいとも思っていない。別にうまくもないのにカッコつけて「俺たちのことはミュージシャンと呼びなさい」なんて言っちゃう。でも、それが最高。

資本主義的な思考に染まった僕にはまぶしすぎるその初期衝動が周りを巻き込んでカタルシスを得る。そしてその発露としてあることが起こる・・・そこで僕はかなりビックリしたので、ぜひ劇場でチェックしてみてください!

 

「セッション」がたどり着いたのが極地だとしたら、「音楽」は原点の映画だと思います。そして僕は「音楽」のオチと、そこでの主人公たちの在り方を見たときに感じた歓びを大事にしたいと心から思いました。

 

このしがらみに溢れた時代に、輝かしい原作を生み出してくれた大橋裕之先生、7年もかけて劇場に届けてくれた岩井澤健治監督、さらに関係者の方々に心からの感謝をささげたいと思います。

 

(かいたヒト:コバヤシ)