【エンタメ】耳で聴かない音楽会vol.3に行ってきました!【オーケストラ】
こんにちは、コバヤシです。
今回の記事はタイトルの通りです!
こちらのオーケストラコンサートに行ってきました!!
このコンサートは、筑波大学准教授で、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社CEO、さらにメディアアーティストとしても活動する落合陽一さん(公式ページ)と、1956年に設立され、2016年には創立60周年を迎えた歴史ある楽団である
”音楽を耳で聴かなくても楽しむ”
をコンセプトに開催されたものです。
聴覚障害を抱える方や、僕のようにクラシックになじみのない人でも、音を光や振動として伝えることで、楽しめるようにするという素晴らしい試みで、聴覚障害を抱えた方には、
SOUND HUG 、Ontenna、ボディソニックなどのデバイスの貸与や、音声文字変換や手話による通訳などでケアがされていました。
特にSOUND HUGは、落合さんがCEOを務めるピクシーダスト株式会社で作られており、球形のデバイスを抱きかかえると音と振動で音楽を伝えてくれる優れモノ。
以前落合さんのインタビュー番組で、実際に聴覚障害を持っている子供たちが利用して、音楽を肌で感じ、笑顔になっているのを見て
す、すげぇ!!
とたまげたことがあり、僕がこの音楽会に参加する理由の一つにもなったものです。
こうしたすばらしい取り組みはもっと広まっていってほしいですね。
vol.3を迎えた今回は、ビジュアルデザインスタジオWOW(公式ページ)
が加わり、映像もオーケストラの一人の奏者と捉え、作った映像をただ流し、それに合わせて演奏するのではなく、映像ディレクターの近藤樹さんを陣頭に、リアルタイムで音楽と一体になって映像を動かして演奏されていました。
ここからは、今日実際に行って体感してきたレポートになります!
受付を済ませてはいると、まずはポスターがお出迎え
ロビーは既に結構人がはいっていて、物販として日本フィルのCDや落合さんの著書などが売られていました。
座席についてパンフレットを読んでいると、演奏会の特徴として
楽器の演奏体験などたくさんのアイデアが盛り込まれていて、音楽会を中心とした大きなワークショップが行われているという印象を受けた。
と書いてあったので、トイレもかねてロビーに戻ってみると、奏者さんたちが演奏体験会を行っていて、
入った時の人だかりはこれか!!となりました。
席に戻って少しすると、照明が落ち、
”おっ、始まるな!”と思ったくらいでオーケストラの方々が入場され、チェックが終了
少し落ち着くと指揮者の海老原さんが
スチャッ!
と手を上げました。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・??
あれ??音出て無くない?なんかヴァイオリン弾いてる人たちめっちゃ腕をシャカシャカやってるけど、
音出て無くない??
演奏が始まったと思ったら音が出てませんでした。
まさかのタイミングで耳がブッ壊れたんか??と困惑する僕をよそに、海老原さんはどんどん各パートを盛り上げていってるということを視覚情報のみで確認しながら、泣きそうになっていると、脳裏にある映像が浮かびました。
それは以前見た落合さんのインタビューのワンシーン
その映像の中で、落合さんは「聴覚障害を抱えた方々に対する取り組みを考えるにあたって、音を消してYouTubeを見てみたらびっくりするくらいつまらなかった」といったことを話していました。
これを思い出した瞬間、
ワカっちゃったナァ~
ちゃんと予習してきたからナァ~
と暗闇の中で謎のドヤ顔をかまして調子こいてました。
そうこうすると演奏が終わり、ファシリテーターの江原さんと落合さんが登場し、ネタばらしと解説がされ、スクリーンに映し出された映像とともに音有りで演奏がされました。
解説によると、一曲目はジョン・ケージ作「4分33秒」の第2楽章でした。
「4分33秒」は無音の曲だそうで、第2楽章は2分40秒の間、無音が続き、今回はそれに合わせて、ハチャトゥリアン作、バレエ音楽《ガイーヌ》より「剣の舞」のエアオーケストラが演奏され、2曲目にポップに譜割がキャラクター化された映像と音付きで演奏されました。
3曲目はパッヘルベルの「カノン」でした。曲は様々なパートが追いかけっこをするように演奏されるのが特徴だそうです。
スクリーンには、水を通して太陽光を見たような映像が映し出され、曲に合わせて右から左に波紋のようなものが流れていき、音のレイヤーの増減に合わせて、波紋によって透過される光の色が移り変わっていくのがとてもキレイでした。
4曲目は、アンダーソンの「タイプライター」で、この曲はタイプライターのタイプ音を打楽器として取り入れたすごい曲です。
事前にインストールするよう言われていたトム・ハンクス謹製のタイプライターアプリを用い、ステージ上で実物のタイプライターを叩く落合さんと一緒に、観客もアプリで演奏に参加させてもらい、その後に、正式な打楽器奏者によるタイプライターで、演奏がありました。
個人的には、ケータイに意味のない文字を打ちまくるのって普段あまりしないですが、幼児向けのティッシュとか引っ張りまくれるおもちゃで遊んでる気分になれて
楽しかったです!!
5曲目も同じアンダーソン作
「サンドペーパー・バレエ」でした。
この曲も観客が一体となって参加できる楽曲だったのですが、ここに来て、パンフレットに挟まっているのを発見して以来異物混入かな??と思っていたコイツが登場しました。
この曲も、まず観客が参加して演奏した後に本番だったのですが、紙やすりって意外に音が出るもので、
会場中の人が紙やすりをジャリジャリ
やってるとなかなかの音量が出ていて、
おぉ・・・とひとり感心していました。
5曲目が終わったところでいったん休憩・・・
だったのですが、ロビーで打楽器奏者の方々がまた演奏体験をやってたかと思ったら、周りにいた人を集めて即興でパート分けをし、手拍子でセッションなんかやりはじめちゃったからもう大変!!
休憩なんてそっちのけでロビーは大盛り上がり!
他の観客の方々の顔が入ってい待っているので動画が載せられないのが残念ですが、
個人的な今日の一番のハイライトになるくらいには盛り上がっていました!!
休憩が終わると演奏会ももうラスト!
映像ディレクターの近藤さんの挨拶があり、サン=サーンス作の組曲 《動物の謝肉祭》が演奏されました。
全14曲からなる組曲で、各局にモチーフとなる動物が存在しているのですが、
演出の落合さん、指揮の海老原さん、映像の近藤さんの入念な打ち合わせの上で、各曲が動物のどんな側面を切り取っているかが映像化され、それをさらにリアルタイムで曲と一緒に動かしており、圧巻でした。
映像化されることで、音楽知識に疎い僕でも、
あぁ、ここは掛け合いをしているんだな
とか
たしかにこのゆったりとした感じは亀みたいだな!
などと分かった風に楽しむことができました。
曲が終わると、フィナーレということもあり、会場からは割れんばかりの拍手がおこっていました。
今回、この演奏会に参加してみて感じたのは、
何といっても最大限の配慮、そして感謝でした。
聴覚障害を持った方々への配慮も、上から目線で仰々しい慈悲などではなく、デザインもオシャレなデバイスが貸与されるというもので、いってしまえば映画館で3Dメガネを借りるような気軽なものでした。
そして、だからこそ、その気軽さに最大限の配慮があるように感じられました。
僕というオーケストラに馴染みのない人間に対しても、上から降りてきて教えを授けてくれるのではなく、視点を変えることで、みんなが同じレイヤーの上で楽しめるようになっていたことが、本当に素晴らしく、イカしていると感じました。
今回の《耳で聴かない音楽会vol.3》は、8/27(火)にも、また少し違った表現をする
第2夜《交錯する音楽会》が開催されます。
こんなに素晴らしい取り組みは
是非チェックするべし!!
それでは、ここまで読んでくださったみなさん、
ステキな体験をさせてくださった
落合陽一さん
WOWのみなさん
本当にありがとうございました
また次の記事でお会いしましょう
かいたヒト:コバヤシ